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こんばんは。こうすけ歯科医院の古川です。
「歯がなぜ動くのか?」それは、上下の顎骨に備わる「骨代謝機能」によるものです。そもそも歯は萌出後に周囲の組織、たとえば頬や舌により自然に矯正されています。歯はある方向から一定の力が加わるとその反対側で歯根に接した骨を溶かし、その圧力から逃げるように力を軽減します。結果的に歯は、骨が溶けた側に少し動きます。そして力が加わった側の歯根と骨の間にはスペースができます。そこに新しい骨が作られるという仕組みです。このように骨に備わった改造機能を骨代謝機能といいます。ただし、歯は1ヶ月に0.3ミリ程度しか動かされません。だから矯正治療で3~5ミリ動かさなければいけないときには、それだけ時間もかかるのです。力を大きくすれば早く動くと思われがちですが、それは体の骨代謝機能の限界を超えているので、最悪の場合、歯は抜けてしまいます。
効率的に咀嚼を行うために、頬や舌は歯に接しながら常に機能しています。この外力によって、頬と舌が動くちょうど中間に歯は並びます。猫背の悪い姿勢で咀嚼を行うと変な外力がかかり、悪い歯並びになってしまうのはこのためです。矯正治療後も頬や舌から外力を生涯受け続けるわけです。矯正治療前に姿勢、噛む習慣、飲み込む習慣(嚥下)が悪かった場合、それらの習慣が矯正治療後も改善されていなければ、簡単に治療前の状態に後戻りしてしまいます。矯正治療後も「正しい姿勢。正しく噛む。正しく飲む」ことを生涯実践することが大切です。