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こんにちは。こうすけ歯科医院の古川です。
生まれたばかりの赤ちゃんの哺乳の仕方は、上下に口を大きく開け、上あごと舌でおかあさんの乳房をささえます。
そして乳首を上顎の奥の方まで引き込んで、しごくような動きでお乳を飲みます。このとき唇と顎を開いたまま、同時に呼吸しながら飲む飲み方は「乳児嚥下」といいいます。このような飲み込みをしていると、将来固形食を食べることができないので、徐々に唇や顎を閉じて、飲み込む「成人嚥下」に変化していくようです。
それではいつ頃から離乳食を始めればいいのでしょうか。それは目安としては、次のような兆候が表れてきた時です。「哺乳反射が消えてきた」、「舌の押し出しがない」、「首がすわってきた」、「ミルク以外の食物に興味を示すようになってきた」などの サインがみえたら離乳食開始の合図とみていいでしょう。生活リズムという点では授乳間隔が規則的に3~4時間空いていることも大切になるでしょう。内臓の機能が発達するのは、生後5ヶ月頃です。このことからも早すぎる離乳は、消化不良やアレルギーの問題を引き 起こすために注意が必要です。急がず、慌てず、それぞれのペースで進めていきましょう。
ここでちょっと横道にそれますが、赤ちゃんは、生後2ヶ月くらいから 「指しゃぶり」や「おもちゃしゃぶり」など によって、自分の口の周りを色々な 刺激で触れられる経験を増やしていきます。このことは、離乳 の準備をしていると考えられているので、このころの「指しゃぶり」は、大変重要なことなのです。
いすに座ってしっかりとした姿勢を保つためには、首がすわることが大切になります。また、首がすわることで口やあごを上手に動かすことができるようになります。先に述べたように、離乳食の開始は「哺乳反射」が消えるサインが目安になりますが、「味慣らし」においては、生後2~3カ月くらいから、果汁やだし汁などの薄味の液体を哺乳びんから与えることで始めてもよいことになっています。5~6カ月からの実際の離乳食として与える場合には、ペースト状の食べ物から始めていきます
【離乳初期】唇で食べ物を取り込む・唇を閉じて飲み込む
生後5,6カ月ごろ・・・ ゴックン期
離乳開始時期ではスプーンに乗ったペースト状の食べ物が 口に入ったとき、上唇はほとんど動かないです。これはそれまでのおっぱい飲みの名残があり、なかなか唇 を閉じてゴックンと飲み込むことができないためです。 舌も最初はおっぱいを飲んでいた時と同じようにチューチューと吸うような動きをし、前後的な動きでなんとか食べ ようとします。徐々に「内側にめくり込ませる動き」が見 られるようになり食べ物がこぼれずに上手に飲み込めるようになります。
【離乳中期】押しつぶして食べる 動きに注意-舌と上あごで押しつぶす
生後7,8ヶ月ごろ・・・ モグモグ期
上唇でスプーンの食べ物をこすり取るようにして取り込めるようになります。 下顎がコントロールされ、ガクガク、パクパクした動きが減ってきます。 舌の前方を口蓋に強く押し付け、食べ物を潰すことが可能になり、 口角が活発に動くようになります。また、口角が左右対称にキュッキュッキュッ キュッと引かれます。 舌でつぶせる固さのものを与えましょう。
【離乳後期】・・・舌が左右にも動くようになる 噛む(咀嚼)機能の基礎が育つ
生後9~11ヶ月ごろ・・・カミカミ期
「噛めるようになってきたかな?」と思ったときの 観察の目安は舌の動きが「前後」「上下」に加えて「左右」へ動けるようになっていくことです。食べ物を舌で奥の歯ぐきに持っていき(舌が横に動く) すりつぶしの動き=「咀嚼運動」をおこないます。顎は噛 んでいる方へずれるように動き、唇もそちら側へ 引っ張られて、ねじれたような口の形になります。食べ物をちゃんとすりつぶすには何回かモグモグする 必要があるので、一回の噛む動きごとに、舌は何回も 歯ぐきの上に食べ物を乗せ続けることになります。この舌の動きは「横への動き」が中心になります。
【離乳完了期】・・・舌を自由自在に動かせるようになり、歯や歯ぐきで リズミカルに噛んだり、つぶせたりできるようになります。
生後12~18ヶ月ごろ・・・ パクパク期
以上述べたように、われわれが当たり前のように食べている食事も「学習」によるものです。焦ることなく一歩一歩地道にすすんでいきましょう。