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骨粗しょう症について

こうすけ歯科医院

骨粗しょう症について

 こんにちは。こうすけ歯科医院の古川です。

「骨粗しょう症」とは骨がスカスカになり、骨折しやすい状態をいいます。歳を重ねると誰にでも起きるもので、特に閉経後の女性に多い疾患です。「骨折」と聞くと強い力が骨に加わり、ボキッと骨が折れてしまう状態を思い浮かべますが、「骨粗しょう症」による骨折は、ちょっとした刺激でも折れてしまうという問題があります。また一度骨折を起こすと、連鎖することもあります。骨折した部位が治ったら、反対側も骨折してしまったという話はよくあります。太もも周辺の骨が折れてしまうと寝たきりになる可能性も高まります。骨粗しょう症は深刻な病気なのです。骨粗しょう症を予防するには,栄養を採ることと日ごろから運動を心掛けることが大事です。

 骨粗しょう症の治療で使われる薬は、大きく分けて3つに分類されます。それぞれ作用が異なり、「骨が壊れるのを抑える薬」「骨がつくられるのを促す薬」「骨への栄養を補う薬」に分かれます。

 骨粗しょう症の薬のうち、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤を使用されている患者さんでは、まれではありますが、「薬剤関連顎骨壊死」(MRONJ)という病気を引き起こすことがあります。歯科治療では、このことが大きな問題となっており慎重な対応がとられています。また骨折ばかりでなく多発性骨髄腫や悪性腫瘍の患者さんにも、薬剤関連顎骨壊死のリスクがあります。

 骨に炎症が起こることを「骨髄炎」、さらにそれが進んで骨の一部が死んでしまうことを「骨壊死」といいます。薬剤関連顎骨壊死とは、文字どおり薬に関連したあごの骨の壊死のことです。

 骨は新陳代謝をしており、古い骨は壊され新しい骨が作られています。骨粗しょう症の薬により骨の新陳代謝の働きは弱められ、骨が壊死するとみられています。ただし、ビスホスホネート製剤とデノスマブを服用しているので、必ず薬剤関連顎骨壊死が起きるわけではありません。人の口の中には無数の細菌が存在しており、清潔に保たなければ、虫歯や歯周病は進行してしまいます。進行することにより、細菌感染は骨まで及び、薬の影響もあり顎骨壊死が発症すると考えられています。

 顎骨壊死は、以前は「外科処置(抜歯も含む)が引き金となって発症する」と考えられていましたが、最近では外科処置に限らず、顎骨壊死が起きることがわかってきました。

 現在では、「抜歯を必要とするような歯周病や歯の根の病変などの存在が顎骨壊死につながる」という考え方に変化しているようです。

 このような理由で、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤を使用されている方は、かかりつけの歯科医院でお口の環境を整え、それを維持するためにご自身によるセルフケアと、定期検診によるメインテナンスを受けることが最も重要です。

 

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