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食べるものであごの形が変化してきた

こうすけ歯科医院

食べるものであごの形が変化してきた

 こんにちは。こうすけ歯科医院の古川です。

 歯の形が食性によって異なることは以前述べさせていただきました。

同様に、上下のあごの形も食性によって異なります。あごの形をみることで、その動物が何を食べているのかはおおよそ予想ができます。

 例えば肉食動物のあごの関節は、くぼみにがっちりと噛みこみ絶対にあごが外れない、しっかりとした構造になっています。これは獲物を捕食したときに、相手がいくら暴れても外れないようにできています。さらにあごの関節の位置は、上下の歯がかみ合わさる平面とほぼ同じ高さにあり、この位置にあることで強力な噛む力が発揮されます。これは、肉を切り裂く能力に優れた構造をしているといえます。

 それに対し。草食動物のあごの関節は、くぼみが平坦でいつもあごが外れたような構造です。そしてあごの関節の高さは上下の噛み合う平面に対しとても高い位置にあり、下のあごが振り子のように左右にブラブラできる構造です。この構造により草食動物は長時間草を食すことができるし、この形態は臼磨運動するのに適した構造になっています。

 ヒトはどうでしょう?ヒトは雑食性です。あごの形はどんな食品にも対応できるように肉食動物と草食動物の中間形です。すばわち、肉を切り裂く能力および臼磨運動がバランスよく行われるようにできています。

 長い年月をかけ、食事の様相も大きく変わりました。食品に火をとおしたり煮炊きすることにより、格段に食品は軟らかくなりました。このことは顎の関節に大きな影響を及ぼしまします。もともと相手を威嚇するためにあった上顎の犬歯も退化し、歯をむき出しにさせる表情筋は退化し、表情筋は口元を引き締め、咀嚼から嚥下のための筋に特化していったのです。

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